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【事例】大阪府大阪市の部活動地域展開 ─ 民間事業者×オリンピアン・4地区モデルで大都市型移行を実証

公開:2026.04.29 更新:2026.04.29
この記事でわかること

・大阪府大阪市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 大阪府大阪市
人口規模 約277万人(令和5年度時点)
中学校数 128校
運営形態 民間事業者(リーフラス株式会社)運営型
対象競技 水泳、水球、ラグビー、バドミントン、陸上、サッカー等19種目
保護者負担額 参加費・保険料ともに無料(令和5年度実証)

取り組みの概要

大阪府大阪市では、人口約277万人・中学校128校・生徒約5.1万人という大都市スケールの地域移行に取り組んでいます。令和3年度から桜宮スポーツクラブ(行政運営モデル)として8種目12回の活動を開始し、令和5年度は民間委託モデルに移行。市内4地区(東住吉区・西区・郡島区など)を対象に、各7〜8種目×3回の活動を実施しました。リーフラス株式会社が運営事務局となり、オリンピアンを含む専門指導者を派遣しています。指導者謝金はオリンピアンで11,400円/時間に設定されています。

特徴的な取り組み

  • オリンピアンによる専門指導:水泳種目ではオリンピアンを指導者として起用し、指導謝金11,400円/時間という専門家水準の報酬を設定。地域移行後も高品質な指導を担保。
  • 民間事業者の人的資源とノウハウの活用:リーフラス株式会社の人材バンク・研修システム・施設管理ノウハウを活用し、大都市の大規模運営を実現。
  • 4地区モデルによる段階展開:128校すべてを一度に対象とせず、4地区のモデル事業として実証。各地区の課題を洗い出しながら拡充を図る設計。

課題と解決策

課題 解決策
人口270万人超の大都市では地域指導者だけでは指導者の量・質が確保できない 民間事業者の人材採用・研修ノウハウを活用し、地域人材と民間事業者を組み合わせた複合的な指導者確保を実施
活動日程・場所の調整に時間がかかり、生徒・保護者への周知が遅れた 事業者と密に連携しながら定期的な協議会を開催し、準備段階から丁寧な説明周知を実施

成果・効果

令和5年度の4地区実証では、各7〜8種目を3回ずつ実施し、参加費・保険料ともに無料という条件で大都市部の地域移行モデルを構築しました。令和6年度は地域指導者・部活動指導員経験者・兼職兼業教員等の地域人材を積極的に活用する方向で拡充を検討しており、民間事業者依存から地域人材活用型への移行も視野に入れています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「運動部活動の地域移行に関する実証事業事例集」(令和5年度)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

大阪市のモデルが示す最大の知見は「大都市では地域人材だけでは限界がある」という冷静な認識に立ち、民間事業者の組織力を積極的に取り込んだ点です。オリンピアンを起用した11,400円/時間の謝金設定は、地域移行後も「高品質な指導への需要」に応えることができるという証明でもあります。

128校を一度に動かさず、4地区のモデル事業として段階展開する設計は、大規模自治体が陥りがちな「一斉移行による混乱」を回避するための有効な手法です。各地区の実証を通じて課題を収集し、横展開に備える姿勢は他の大都市にも参考になります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

民間事業者を中心に据えるモデルは事業者の撤退リスクが常にあります。複数事業者を競合させる仕組みや、行政が直接運営に関与できる体制を並行して整備しておくことが安全策です。また参加費無料モデルは財政上の持続性に課題があり、将来的な費用設計を早期に検討することが求められます。

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