奈良県
奈良県は「中学校において令和8年度から教員の指導による休日の学校部活動を廃止する」という期限付きの方針を掲げ、令和6年3月に「中学校部活動の地域クラブ活動への移行の手引き」を作成、令和7年7月に改訂した。実証事業は令和6年度19市町から令和7年度24市町村へ拡大。ただし国の令和7年12月ガイドラインに対応した令和8年度版は2026年7月30日時点で未公表。
主な変更点
改訂履歴
文科省ガイドライン(R7.12)との対応状況
| 確認項目 | 対応 | 補足・詳細 |
|---|---|---|
|
ガイドライン策定
都道府県独自のガイドラインを策定・公表済み
|
○ | 2024年度(令和6年3月初版・令和7年7月改訂/国R7.12対応版は未公表) |
|
参加費の低廉化
参加費を低廉・無償に設定する方針を明記
|
○ | 受益者負担が原則。参加できない生徒が出ないよう学校施設の開放・公的施設の利用料減免・送迎面の配慮を検討。基金創設やクラウドファンディングも提示 |
|
指導者登録・人材バンク
指導者登録制度または人材バンクの整備
|
○ | あり(奈良県スポーツ・文化芸術指導者人材バンクを令和7年5月から運用・18歳以上が登録可) |
|
認定制度への言及
市区町村による地域クラブ活動認定制度への言及
|
× | 未設置(現行の手引きに認定制度の記述なし) |
|
経過措置(R8年度末)
移行できない場合の経過措置を明示・活用
|
○ | 活用あり(直ちに移行が難しい場合は地域連携=部活動指導員の活用をワンステップとして検討) |
独自の特色・注目ポイント
調査メモ・補足情報
【調査日・情報源】
調査日:2026年7月30日。主な情報源:奈良県「部活動地域移行(地域展開)」(更新日2026年6月5日)、「奈良県中学校部活動の地域クラブ活動への移行の手引き」令和7年7月改訂版PDF、市町村別・人材バンク指導希望種目詳細、文部科学省「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(令和7年12月)。
【奈良県のこれまでの進捗】
・平成30年5月:「奈良県運動部活動の在り方に関する方針」を策定。平成31年4月:文化部活動を含む「奈良県部活動の在り方に関する方針」へ改定。
・令和5〜7年度:「改革集中期間」に設定し、「中学校において令和8年度から休日における教員の指導による学校部活動を廃止する」との方向性を決定。
・令和6年3月:実証事業に取り組む市町村の実践内容等を参考に「奈良県中学校部活動の地域クラブ活動への移行の手引き」を作成。令和7年7月に改訂。
・実証事業の実施自治体:令和6年度19市町 → 令和7年度(7月現在)24市町村(奈良市、大和高田市、大和郡山市、天理市、橿原市、桜井市、五條市、御所市、生駒市、香芝市、葛城市、宇陀市、平群町、安堵町、田原本町、上牧町、王寺町、広陵町、河合町、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村)。
・全国比較:令和7年度の実証事業は全国670市町村が実施予定で、奈良県の24市町村は長野48・北海道42・茨城36・岐阜30・兵庫27に次ぐ規模。
・令和3年度:明日香村・生駒市の実証事業が全国に紹介された。
・令和7年5月:「奈良県スポーツ・文化芸術指導者人材バンク」の運用を開始。
・留意点:県内の実施率(%)、休日の地域展開に着手済みの学校数・部活動数は手引きに記載がありません。
【文部科学省R7.12ガイドラインとの対応状況】
2026年7月30日時点で、国の令和7年12月ガイドラインに対応した奈良県版の新ガイドライン・手引きは公表されていません。県ページ(2026年6月5日更新)および県サイトの「部活動・地域クラブ活動」カテゴリを確認しましたが、掲載されているのは令和7年7月改訂版のみです。そのため本手引きは「地域移行」を主用語としており、「地域展開」は県ページ本文で併記されているにとどまります。認定制度・認定要件・改革実行期間(令和8〜13年度)に関する記述は本手引きには存在しません。一方で、奈良県は国の枠組みとは別に「中学校において令和8年度から教員の指導による休日の学校部活動を廃止する」という期限付きの方針を早期に打ち出しており、令和5〜7年度を「改革集中期間」として休日部活動の地域連携又は地域移行の完了をめざしてきました。平日の部活動は当面これまでどおり学校部活動として行い、令和8年度以降に休日の移行状況を検証したうえで移行の可否を判断するとしています。
【認定制度に代わる質担保の考え方】
本手引きには認定制度に関する記述がありません。これに代わる質担保策として、指導者の任用にあたり一定の資格指導者(日本スポーツ協会・日本パラスポーツ協会の公認指導者資格、各競技団体が定める公認指導者資格、自治体が独自に定める資格、教員免許等)を条件とすることで指導者の質の担保を図ることも考えられる、と記載されています。また運営団体・実施主体は「スポーツ団体ガバナンスコード〈一般スポーツ団体向け〉」に準拠し、公正かつ適切な会計処理・情報開示を行い、クラブの運営規則等を策定する必要があるとしています。
【独自施策の補足】
・活動体制の一覧表:令和8年度以降について、教員は平日の学校部活動は可・休日の練習は不可・大会等は「週休日の振替」により勤務として引率可(振替休日の取得が必須)、地域クラブの練習・大会等は本人の意思があり服務監督教育委員会から兼職兼業の許可を得れば可、と整理しています。部活動指導員は平日・休日の学校部活動および大会等が可で地域クラブ活動は不可、地域クラブ指導者は地域クラブの練習・大会等のみ可としています。
・兼職兼業の詳述:前提条件/許可プロセス/3形態/整理表/服務監督教育委員会の留意事項/地域団体での指導・大会運営/平日指導の留意事項の7節構成で解説し、労働時間通算について単月100時間未満・複数月平均80時間未満が見込まれない場合は許可を出さない、運用上の目安として通算45時間以内が望ましいという数値基準まで示しています。
・企業協賛の実務:支援手段の整理/協賛メニューと価格設定/各種資料・契約書項目の準備/営業先リストアップと提案活動/契約手続きの5ステップで解説し、価格設定の例として「ユニフォームの胸部分:50万円」を挙げています。
・公式戦参加の3パターン:地域クラブ指導者が引率し「地域クラブ」として参加/週休日振替を行った教員が引率し「学校部活動」として参加/部活動指導員が引率し「学校部活動」として参加。休日練習を地域クラブで行いつつ大会は学校部活動として参加する場合は、後の2パターンが必要になります。
・保護者向け広報:保護者説明用動画をYouTubeで公開しています(フルバージョン21分37秒/前半・後半の分割版)。
【未確認事項・留意点】
国の令和7年12月ガイドラインに対応した令和8年度版の県手引き・ガイドラインは、2026年7月30日時点で公表されていません。今後の公表により、認定制度や改革実行期間に関する記述が追加される見込みです。
人材バンクの運用開始時期について、手引き本文には「令和6年度中に運用開始予定」、Q&Aには「令和7年5月より運用を開始」とあり記述が一致していないため、原文どおり両論を併記しています。
参加費の県独自の金額目安、人材バンクの登録者数はいずれも手引き内に記載がありません。
実証事業の市町村数(令和6年度19市町/令和7年度24市町村)および全国比較データは、手引きPDFではなく県ページに記載されているものです。
「奈良県部活動の在り方に関する方針」は手引き内で参照されていますが、現行の掲載ページ・最新改訂年月は確認できていません(手引き内では平成31年4月改定までの記載)。
公式ガイドライン
奈良県 部活動地域クラブ活動ガイドライン
2024年度(令和6年3月初版・令和7年7月改訂/国R7.12対応版は未公表) 策定・公表
奈良県の事例(8件中3件)
受け皿団体の立ち上げ・経営について専門家に相談しませんか?
設立手続き・行政調整・資金計画など、総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。
専門家に相談する →