トップ 事例を探す 青森県 【事例】青森県大鰐町の部活動地域展開 ─ スポーツ推進委員優良受賞・唯一の中学校で野球・バドミントン・柔道が先行移行
全種目 👥 1万人未満 🏫 小規模校(〜150人) 📍 青森県

【事例】青森県大鰐町の部活動地域展開 ─ スポーツ推進委員優良受賞・唯一の中学校で野球・バドミントン・柔道が先行移行

公開:2026.05.03 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・スポーツ推進委員を地域クラブの実技指導者として活用し、2025年度優良団体表彰を受賞した指導者確保モデル。
・中学校1校のみの超小規模自治体であることが、複数校間の調整なしに一体的な移行計画を推進できる条件となっている。
・休日にとどまらず平日も含めた地域展開を推進計画に明記し、2027年度の全面実施を目標に種目を段階的に拡大中。

自治体名 青森県大鰐町
人口規模 約8,000人(2024年時点)
中学校数 1校(大鰐中学校)
運営形態 地域クラブ活動(スポーツ推進委員・地域指導者が主体)
対象競技 野球、バドミントン(大鰐ジュニアバドミントンクラブ)、柔道
保護者負担額 不明(調査時点未公表)

取り組みの概要

青森県大鰐町では、唯一の中学校である大鰐中学校の生徒数が2015年の218人から2025年には124人まで約43%減少し、部活動の継続が困難な状況に陥っていた。こうした背景を受け、大鰐町は2021年に「部活動の在り方に関する検討委員会」を設置して議論を開始し、2024年に「大鰐町部活動地域移行推進計画」を策定した。計画では休日と平日を一体的に地域展開することを掲げ、現在は野球部・バドミントン部・柔道部の3種目が地域クラブ活動に移行済みであり、2027年度の全面実施を目指している。

特徴的な取り組み

  • スポーツ推進委員による指導者不足解消: 地域で誰もがスポーツを楽しめる場を創出するコーディネーター役のスポーツ推進委員が、地域クラブ活動「大鰐ジュニアバドミントンクラブ」で実技指導を担い、指導者確保の課題を実質的に解決している。大鰐町のスポーツ推進委員団体は2025年度スポーツ推進委員優良団体表彰を受賞しており、その実績が全国的に認められた。
  • 1校集中型の計画的推進: 中学校が1校しかないため、学校全体を単位とした一体的な地域移行が可能であり、複数校間の調整コストなしに重点的に取り組みを進めることができる。
  • 休日・平日一体型の移行計画: 単なる休日部活動の移行にとどまらず、休日と平日を一体的に地域展開することを推進計画に明記し、より包括的な地域クラブ活動体制の確立を目指している。

課題と解決策

課題 解決策
生徒数の急激な減少による部活動の部員不足・廃部リスク 地域クラブ活動として学校外のクラブを設置し、生涯スポーツ活動の場として中学生を受け入れる
地域での指導者不足(顧問教員頼みの限界) スポーツ推進委員が実技指導を担い、地域全体で子どもたちを育てる体制を構築
小規模自治体での財源・運営体制の確保 2024年に推進計画を策定し、段階的に移行種目を拡大(2027年度全面実施目標)

成果・効果

野球・バドミントン・柔道の3種目で地域クラブ活動への移行が実現し、大鰐ジュニアバドミントンクラブなどが活動中である。特に、大鰐町のスポーツ推進委員が2025年度スポーツ推進委員優良団体表彰を受賞したことは、指導者不足という全国共通の課題に対して地域コミュニティの力で解決策を見出した取り組みが評価されたものといえる。スポーツ庁Web広報マガジンでも2026年に大鰐町の事例が取材・紹介されており、小規模自治体における先進事例として注目されている。

出典

→ 原文: スポーツ庁Web広報マガジン|地域スポーツのコーディネーター”スポーツ推進委員”〜青森県大鰐町の事例紹介〜

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

大鰐町は2015年から2025年にかけて大鰐中学校の生徒数が218人から124人へと約43%減少し、部活動の継続が困難な状況が生じていた。こうした背景を受けて、大鰐町は2021年に「部活動の在り方に関する検討委員会」を設置し、議論を重ねた。その結果、2024年に「大鰐町部活動地域移行推進計画」を策定し、休日と平日を一体的に地域展開する方針を明記した。野球・バドミントン・柔道の3種目がすでに地域クラブ活動へ移行済みであり、2027年度の全面実施を目標に段階的な拡大が進んでいる。単なる休日部活動の移行にとどまらず、平日を含む包括的な地域クラブ活動体制の確立を推進計画に明記した点が、この取り組みの特徴のひとつである。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

大鰐町が指導者不足の解消に活用したのは、市区町村に配置されている地域スポーツ振興のコーディネーター役である「スポーツ推進委員」だ。大鰐町では、スポーツ推進委員が地域クラブ活動「大鰐ジュニアバドミントンクラブ」で実技指導を担い、顧問教員頼みの構造からの脱却を実現した。この活動が評価され、大鰐町のスポーツ推進委員団体は2025年度スポーツ推進委員優良団体表彰を受賞した。また、スポーツ庁Web広報マガジンが2026年にこの事例を取材・紹介したことで、小規模自治体における先進事例として全国的な注目を集めている。スポーツ推進委員は全国の自治体に存在する既存の社会資源であり、大鰐町のモデルは指導者確保に課題を抱える他の小規模自治体にとっても参照しやすい仕組みといえる。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

大鰐町の地域移行において、中学校が1校という規模の小ささは制約ではなく、計画推進の条件として機能している。複数校間の調整が不要なため、学校全体を単位とした一体的な移行計画の策定が可能となり、2021年の検討委員会設置から2024年の推進計画策定、3種目の移行完了へと着実に前進してきた。2027年度の全面実施に向けては財源・運営体制の確保が課題として残るが、休日と平日を一体的に組み込んだ推進計画の枠組みは、今後の運営基盤づくりにも機能すると見られる。

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