トップ 事例を探す 茨城県 【事例】茨城県神栖市の部活動地域展開 ─ 東京との遠隔バレー指導とYouTube限定動画で広域ICTコーチング体制を構築
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 茨城県

【事例】茨城県神栖市の部活動地域展開 ─ 東京との遠隔バレー指導とYouTube限定動画で広域ICTコーチング体制を構築

公開:2026.04.30 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・バレーボールのリモート指導は月1回・150〜180分を計4回実施し、東京-神栖間の遠隔指導の実用性を検証した。
・軟式野球・サッカーのYouTube限定動画は各15本を制作・配信し、生徒がいつでも繰り返し視聴できるオンデマンド教材として機能している。
・ビデオ会議ツールとYouTubeのみで実装可能なため、専用システム開発なしに低コストで導入できるICTモデルである。

自治体名 茨城県神栖市
人口規模 約9万4千人(2020年時点)
中学校数 8校
運営形態 地域クラブ活動(ICTを活用したリモート指導・動画教材配信を組み合わせた複合型)
対象競技 バレーボール・軟式野球・サッカー(動画配信対応)
保護者負担額 記事作成時点で未公表

取り組みの概要

茨城県神栖市は、人口約9万4千人・8校・2,349人・76部活という規模の自治体で、ICTを活用したオンライン指導という独自のアプローチで部活動の地域移行を進めています。東京在住の専門指導者とのリモート接続によるバレーボールのオンライン指導(月1回・150〜180分・4回実施)に加え、軟式野球とサッカーについてはYouTube限定公開動画による技術教材を各15本作成・配信。地域に指導者がいなくても、専門指導の機会を確保する仕組みを構築しました。

特徴的な取り組み

  • 東京-神栖リモート指導(バレーボール): 東京在住の専門指導者と神栖市の練習会場をオンラインで接続し、月1回・150〜180分のリモート指導を4回実施。地理的距離を超えて高水準の専門指導を届けることに成功しました。リモート指導中は画面越しに選手の動きを確認しながらリアルタイムでフィードバックが行われます。
  • YouTube限定動画による技術教材配信(軟式野球・サッカー): 軟式野球・サッカーの技術指導動画を各15本制作し、YouTube限定公開で配信。生徒がいつでも・何度でも繰り返し視聴できるオンデマンド教材として活用することで、指導の機会を時間・場所から解放しました。
  • ICTを活用した指導者不足への対応: 地域在住の指導者確保が難しい種目について、リモート指導と動画教材という二つのICTアプローチで補完。「地域に指導者がいない」という課題に対し、従来の「人を探す」ではなく「技術をオンラインで届ける」という発想の転換が特徴です。

課題と解決策

課題 解決策
特定の種目(バレーボール等)について地域に専門指導者がいない 東京の専門指導者とのリモート接続により、月1回150〜180分のオンライン指導を実施。地理的距離を解消
リモート指導だけでは練習量・回数が不足する 軟式野球・サッカーのYouTube限定動画(各15本)を制作・配信し、生徒がいつでも自習できるオンデマンド教材を整備
ICT活用の初期ハードルが高い 既存のビデオ会議ツールとYouTubeという普及済みプラットフォームを活用。特別なシステム開発なしに実装できるアプローチを選択

成果・効果

バレーボールのリモート指導は月1回(150〜180分)を4回実施し、東京-神栖間での遠隔指導の実用性を検証しました。軟式野球・サッカーの技術動画は各15本が完成し、生徒がオンデマンドで活用できる教材ライブラリが整備されています。ICTを活用した指導モデルは、地域在住の専門指導者が確保しにくい種目・地域での新たな解決策として機能しています。

出典

→ 原文: 文部科学省「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」関連事例集(令和6年度)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

神栖市の取り組みは、「地域で指導者を探す」という従来の前提を問い直す複合型ICT指導モデルです。バレーボールでは東京在住の専門指導者とオンライン接続し、月1回・150〜180分のリモート指導を計4回実施。軟式野球とサッカーでは各15本のYouTube限定動画を制作・配信し、生徒がいつでも繰り返し視聴できるオンデマンド教材を整備しました。既存のビデオ会議ツールとYouTubeという普及済みプラットフォームを選択したことで、専用システムの開発なしに実装できた点も、他地域への横展開のしやすさを高めています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

地域在住の専門指導者が確保しにくい状況は、人口規模や地理的条件を問わず多くの自治体が直面する共通課題です。この取り組みでは、ビデオ会議ツールとYouTubeという汎用プラットフォームのみで指導体制を構築しており、専用機材や独自システムが不要な点が導入ハードルを大きく下げています。渡嘉敷村のようにICTを活用した事例が各地で積み重なる中、神栖市が示す「リモート+動画自習」の複合型モデルは、対面指導を週次で確保できない種目への現実的な補完策として参照価値が高いといえます。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

神栖市のICT指導モデルが継続的に機能するためには、指導者側のインセンティブ設計が鍵となります。東京の専門家が遠方の地域クラブを継続支援するには、報酬や契約形態の枠組みを明確にする必要があります。また、リモート指導と動画教材は対面の強みであるフィジカルなフォーム修正やチームの雰囲気づくりを完全には代替できないため、「対面+リモート」「定期講師+動画自習」のハイブリッド設計の中に位置づけることが、効果を持続させる条件となります。

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